鼻かけ地蔵

鼻かけ地蔵

 福井市の清川町に、今でも鼻かけ地蔵という地蔵があります。昔この付近のある金持の家に下女がやとわれていました。

 地蔵さんを信心していて、何か供養したいと思いましたが、いまの身分では何もできません。それでとうふを買いに行くたびに、とうふの端(はしの方)を少しかいてあげました。

 主人の方では、下女がいつも端のかけたとうふを食べさせるので、怒って下女の鼻を切ってしまいました。ところが翌日になって見ると、下女の鼻が元通りになっています。

 ふしぎに思ってその訳を聞きました。そして調べてみると、地蔵さんの鼻がかけていました。

 主人はびっくりし、恐ろしくなりました。


 地蔵さんが、信心の深い下女の身代りになって下さったのでありましたと。